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孤発性小血管性認知症の発症機序の一部を解明・京都大学

2017.06.06

京都大学の研究グループは、小血管性認知症の患者では、脳の血管内で骨形成タンパク質4(bone morphogenetic protein 4:BMP4)
という分子が、通常よりも多く発現していることを発見したと発表しました。

孤発性の小血管性認知症では、高血圧や糖尿病などによる細い血管の動脈硬化によって血流が滞ります。
このことにより、慢性低灌流に弱いとされる脳内の白質が障害され、認知機能の低下につながります。
これまでは、生活習慣の改善やリスク因子の管理、血流改善の薬などによる予防的なアプローチしかありませんでした。

研究グループは、細胞実験と動物実験を行い、脳に届く血液の量が減少すると、
脳血管の細胞からBMP4が多く分泌され、脳の障害および認知機能の低下につながる可能性があることを発見しました。
さらに、脳の血液量を減少させたマウスに、BMP4の作用を抑える薬を投与すると、この脳の障害を改善させることができたそうです。

将来的には、臨床試験などを行い、血管性認知症や血管障害を合併するアルツハイマー病の治療法の開発へ繋げていきたいと考えているそうです。


※血管性認知症は、大血管(主幹動脈)の閉塞と小血管病に分類されており、脳小血管病は「通常の画像検査で可視化できないような小血管が原因と考えられる脳実質病変」と定義されています。


詳細は、京都大学ホームページをご覧下さい。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170601_1.html

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