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介護事業をサービス業として転換させる提言「介護分野に関する調査報告書」・公正取引委員会

2016.10.20

訪問介護のヘルパーが、利用者の夕食を作る際に、帰宅が遅い同居家族の分も同時に作れば、夕食をつくる手間は、一人分でも二人分でもあまり変わらないので同居する家族はどんなに楽になるでしょうか?

同居家族へのサービスは、介護保険外のサービスとなるので、「混合介護」となり、現状の介護保険制度では、上記のような保険内サービスと保険外サービスを同時一体的に提供することは原則としてできません。

しかし、公正取引委員会(!)が介護保険制度に対し、
「介護保険内のサービスと保険外のサービスを一緒にしてはどうか」
とする内容を含めた提言を9月5日に発表しました。

<特別養護老人ホームの開設主体に係る参入規制> 医療法人や株式会社が特別養護老人ホームの開設ができるように

<保険内外のサービスの同時一体的な提供> 保険内サービスの提供時間内に利用者の食事の支度に併せて、帰宅が遅くなる同居家族の食事の支度も行うことで、低料金かつ効率的にサービスを提供できるようになる可能性

<サービスの質に応じた料金徴収> 利用者が特定の訪問介護員によるサービスを希望する場合に、指名料を徴収した上で派遣ができる
など、介護事業がサービス業として、大きく転換できる可能性を示した提言となっています。

公正取引委員会としては、
[1]多様な事業者の新規参入が可能となる環境
[2]事業者が公平な条件の下で競争できる環境
[3]事業者の創意工夫が発揮され得る環境
[4]利用者の選択が適切に行われ得る環境が整っているか
という競争政策の観点から介護分野について検討を行ったそうです。
そして、この提言を受け政府は10月6日に開催した規制改革推進会議で、
<介護サービス改革> ・介護サービスの多様化(介護保険給付と自己負担の組合せをより柔軟に)
・担い手の多様化(特養の担い手の拡大 等)
を重要事項として、「医療・介護・保育」部会を新設し、「混合介護」の利用促進や特別養護老人ホーム運営の参入規制緩和などを今後検討していくようです。

今後は、高齢者の利用ニーズに対応した様々なサービスが生まれそうです。

「介護分野に関する調査報告書について・公正取引委員会」
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/sep/160905_1.html

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