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より正確な診断に期待 アルツハイマー病のアミロイドβ立体構造に特異的な抗体を開発―京都大学

2016.07.20

京都大学の入江一浩農学研究科教授、久米利明薬学研究科准教授らの研究チームは、
アルツハイマー病の発症に関係すると考えられているのアミロイドベータ(Aβ)タンパク質の構造を標的とする抗体を開発したと公表しました。

アルツハイマー病の原因物質と考えられているAβタンパク質(Aβ42)は、
分子同士が結合するオリゴマー化によって神経細胞に対して毒性を示します。
そのため、抗Aβオリゴマー抗体はアルツハイマー病の診断や予防、治療において有望視されていました。
しかし診断時において、過剰診断の例があるため、より選択的に神経毒性を持つAβオリゴマーを検出する手法の開発に注目が集まっていました。

同研究グループでは、このAβ42において、神経細胞に対して毒性を持ちやすい立体構造を標的とする抗体「24B3」を開発。
この抗体「24B3」を用いてアルツハイマー病患者とアルツハイマー病ではない人の脳脊髄液を解析したところ、
アルツハイマー病患者からはより多くの割合で毒性オリゴマーを含むAβが確認できました。

このことから、抗体「24B3」は、より正確かつ早期にアルツハイマー病を診断するためのツールとして
活用することが期待できます。

今後、抗体「24B3」による毒性オリゴマーの検出感度を上げて、
脳脊髄液ではなく血液を使ったアルツハイマー診断に応用できるように、研究を進めていくとのことです。


京都大学 研究成果
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/160704_1.html

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